2017年9月28日木曜日

ユダヤ人パートナーがいらっしゃる方:知っておいて損をしないと思うこと

ユダヤ教徒の方々(正統派)と接する機会のある方のために記しておきます。

長い長い年月、教科書に出てくるだけでは到底理解できないほどの歴史を重ねている方々なので、きちんと敬意を払いたい。でも一般に出回っている書物だけではわからない点がたくさんあります。

「できるだけ失礼のないようにユダヤ人と接したい。」

そう思ってくださる方のために書きます。


日本人である私は過去20年の関わりの中で「こうして欲しい」「私たちはこうはしない」など一言も言われたことはありません。



ですが「あれ?様子が変だな」と感じることは多々あるので、相手に質問をしてみます。

すると、

「実は私たちはこれはしない。」
「私たちはこうやっている。」

と説明をしてくださるのです。自主的に説明を受けることはありませんでした。
無知の私が傷つくことがないように、あれこれ言わない。でも自分たちのこともできるだけ主張せずに、かつ自分達の決まりも守る、そんな印象があります。

私は異教徒なので決まりに従う必要はありません。

ですができるだけ違和感がないようにしたいという気持ちはずっーーとあります。

一緒にいる時は相手にもできるだけ快適な時間を過ごして欲しいと思っています。



以下、冷やかし、中傷は一切お断り。
同じような立場の方のお役に立てばと思って書き記しますので、良いとか悪いとかのジャッジも一切お断りいたします。





・ご自分の家族以外の異性には「一切」触れない方もいらっしゃいます。挨拶時に握手、Bisousの習慣が身についている人は注意しましょう。

私は相手より先に握手の手を差し出してしまったことがあります。相手も握手してくださいましたが、後になって他の方から「あの人は家族以外の女性には触らないんだよ」と指摘されました。すぐ奥様に謝りに行きました。もちろん笑い話としてさらっと流してくださいましたが、それ以来、ユダヤ人男性と挨拶するときは相手の出方を待つことにしました。手を出してきたら握手するし、頬を近づけてきたらBisousをしています。

「私は日本人だから日本的に」という前置きをしてお辞儀だけで済ませる、というのも一案ですね。


・正統派女性の服装;鎖骨、ひじ、膝を見せない服装が多いです。ズボンではなくスカートが主流。シナゴーグに行く場合は頭を隠すものがあったほうがいいでしょう。(帽子、スカーフ、かつらetc...)

私はユダヤ人ではないのでそれらを守る必要はありませんが、シナゴーグに行く場合、そして正統派の方も参加するイベントの場合はズボンは避けて膝下のスカートにしますし、頭も隠しますし、ジャケットやカーデガンで肘を隠しています。鎖骨は大きめのアクセサリーで隠すというのも一案。

透け感のある生地ならば、その下にもう一枚着ておきましょう。

小さな女の子も年中長袖、スカート、タイツ。

40度の日が続く夏のISRAELでもそうです。

女性の水着は?
イスラエルでは長〜いスカートの水着が売ってありました。


パーティーでデコルテを着るのは避けています。(経験済み(^_^;))

ひざ上スカートも避けています。(経験済み(^_^;))





・ユダヤ人のお葬式に行く場合、近親の場合は頭に被るスカーフ必須。そして革製品ではない靴を履きます。

お葬式の場合、喪主とその家族ははじめから頭に何か被っていました。帽子だったりkippaだったりカーフだったり、、、。それ以外の参列者は式の前には何も被っていなくても、お祈りが始まると同時にバッグから取り出して頭にかぶり始めました。

喪主や家族は革製品を身につけないというのが必須のようです。身内のお葬式に行く際、他の兄弟から言われたことがあります。「革のバッグ、ベルト、靴、コートなどを持ってくるな。」と。


靴は革製品でないものを探すのは結構大変です。(^_^;)

当日チェックしたところ、NIKE、ADIDASなどの運動靴の他にはCONVERSE、PALLADIUM、PATAUGASなどを見かけました。

不幸は突然やってきます。生粋のユダヤ人の配偶者がいらっしゃるのなら、一応チェックしたほうが良さそうです。


・キッチン道具;お肉用とそれ以外とをきっちり分ける方がいらっしゃいます。

お鍋、食器、まな板、包丁、、、お肉用とそれ以外の二種類を持っていらっしゃいます。流し場もお肉用とそれ以外の2ヶ所あります。


一つの家にキッチンが2つあるというイメージです。

ですので、ユダヤ人のご家庭に行った場合、食べ終わったお皿を流しに運ぶ際はご注意ください。朝ごはんは牛乳やバターを使ったのでこちらの流し場、夜ご飯はお肉だったからこちら、というように全然扱いが違います。

間違えてしまったら、その食器は処分される事になります。

例外もあります。
銀製品は○分間煮沸消毒すればOKだということです。


ガラス透明ならばどちらにも使えるようです。

お皿の洗い方ですが、私はプラスチックの大きな桶(新品)を用意し、肉製品を扱った場合はその桶の中で洗っています。


普段はそんなことをしていないわが家ですが、ユダヤ人をご招待する場合に備えて、紙皿か透明ガラスの食器は常に用意してあります。



・生粋のユダヤ人が火を付けたものでないと食べない方がいらっしゃいます。

料理をする際は、電気コンロやIHなどを使いますが、その点火はできるならユダヤ人が行うほうがいいと思います。IHなどは指でそっと触れるだけなのですが、ユダヤ人が行うのがいいようです。

生粋のユダヤ人に火を付けてもらえない場合、その加熱料理を食べてもらえないこともありえます。生のお料理は誰が準備してもいいようなので、野菜サラダ、ツナ缶、スモークサーモンなどをユダヤ認定Cacherのお店で用意しておきましょう。



・卵を使う場合、倍ぐらい余計に買っておくことをおすすめします。

まずひとつづつ透明のコップに割り入れて、鳥の血が混じっていないかを全角度から確認して下さい。

一滴でも血が付いていたらその部分だけを取り除くのではありません。一個まるごと破棄されます。だから運が悪いと1パックの半分も使えないことがあります。



私の失敗談を記しておきます。


ユダヤ人の主人と結婚して18年の頃。食のしきたりはほとんど頭に入った。お皿やお鍋は肉用と乳製品用と既にちゃんと分けているし、何年何年もやってきているのでこれで完璧!と。


ある夏、張り切ってBBQの準備をしていました。それを聞きつけたおばが電話してきました。

「私たちは何でも食べるから大丈夫なんだけど、一緒に来る○○さんは違うのよね〜。あなたの旦那さんにコンロのスイッチ押してもらっていい?じゃないと○○さんは何も食べないわよ。」

・・・
・・・
・・・


え?じゃあ、私が火をつけたものは、一切食べれないってこと?18年も関わっているから知らないことはない!と思っていたのはただの思いあがりだった
。_| ̄|○ il||li

こっちも真実を知ってしまったからには嘘がつけません。

主人に点火を頼んだところ、「そんなの初耳だ!差別だ!」と怒り出してしまいました。

結局、事を大きくしたくなかったので生野菜、缶詰など、火を通さない料理でおもてなしをしました。(^_^;) 


・休息日にしてはいけないこと。

- 筆記具を使わない。
備忘録のメモは取れません。頭の中にメモしておいてください。得点を競うボードゲームもメモ禁止。暗算で対応してください。


- 外出する時は物を持たない。
散歩に行くにもご近所さんに遊びに行くにも、シナゴーグに行くにも、手ぶらです。雨が降っていても傘は使いません。

家の鍵はベルトや髪飾りと一緒につけて「装飾品」として扱います。


- 電気のスイッチを
押さない。
トイレ、玄関の呼び鈴、携帯電話、TV、コンロ、エレベーター
etc...
日常業務を完全にストップしてその時間を祈りに捧げるという休息日です。自分が何かをすることでエネルギーを消費しないようにするためだと聞いたとこがあります。

トイレ、廊下などの電気は夜中もつけっぱなしにしておいてあげてください。自宅のアパートに入る暗証番号も押さないようですので、もし建物の入口に正統派の方が立っていても怪しまないでください。誰かがそのドアを開けてくれるのを待っているだけですから。

休息日には妊婦の方もエレベーターは使いません。さり気なくその方の行きたい階まで連れて行ってあげてください。

忘れてはいけないのが冷蔵庫内の電気。開けたら点いて閉めたら消える小さなランプです。休息日には開閉時に点灯しないよう、テープで止めるなどの仕掛けをしておいてください。

休息日とは言え、食器は洗います。ただしスポンジは使いません。ぎゅーっと絞るという動作を避けるためです。ビニール手袋をつけて洗ってください。なければ素手で。20人分だろうが30人分だろうが、食洗機は使いません。素手で洗って素手で拭きます。(^^)



休息日はお祈りをする、本を読む、人とお話をするなどの過ごし方があります。夏に実家で休息日を迎えたことがありました。せっかくだから読書するぞ!と張り切っていましたが、紙書籍を持っていっておらずKindleのみ。正統派さんの前でiPhoneを使うなんてさすがにできず、1ページも進みませんでした。(^_^;)






とりあえず以上。
また思い出したら書き加えます。


血筋的にはユダヤ人だけど実生活では戒律を意識しないで普通に生活している方はたくさんいらっしゃいます。ですが、そのご家族はしきたりをきちんと守っていらっしゃるかもしれません。

日本人としての暮らしの中では想像もできない決まり事がいろいろあります。



街が一番賑やかであろう土曜日に、彼らは休息日として規律をひたすら守って暮らしています。信仰深い彼らがシナゴーグで祈る姿は、それはもう言葉に出来ないくらい素晴らしく、感動します。

私は経典を読んだわけでもないですし、生活習慣のほんの一部しか知りません。彼らのお邪魔にならないように、彼らから見て違和感が少しでもないようにと思いながら、できる範囲で対応しています。

繰り返しますが、この記事に関して良い悪いの判断、冷やかし、中傷誹謗一切お断りいたします。

この記事がどなたかのお役に立てれば幸いです。


お読みいただきありがとうございました。
感謝いたします。m(_ _)m