2006年2月28日火曜日

うちのこどもたち そろばん

うちのふたりがそろばんの数字を読んだ。私は教えてないのにどうやって?

いつだったか、夜にベビーシッターを頼んだのだが、
「その(日本人の)お姉ちゃんが教えてくれたの。」
「でも何でまたそろばんなんか出したの?」
「天空の城ラピュタ(DVD)を見てたらそろばんが出てきたから、『あれどうやって使うの?』って聞いたら、『持ってる?』って言うから出したの。そしたら教えてくれたの。」

いやいや、今日届いたあるメルマガにも書いてあったが、
『覚えようとして覚えたものはやがて忘れてしまうが、
自然に覚えたものは永久に忘れない。』

まさにその通り。私が「じゃあそろばん教えてあげようか?」と言うのより、このように何気なく身につけばこの先ずっと覚えていてくれるかもしれない。

そろばんなんて必要ないと言ってしまえばそれまでだが、未知のことに触れるのは子供は大好き。私が留守の間にこんないいことがあったのかぁ。ベビーシッターしてくれたMさん、ありがとう。教えてくれたお琴も2人で時々練習してるよ。

2006年2月27日月曜日

うちのこどもたち 幼稚園体験入学

5年前になる。3歳と4歳の娘を連れて4・5月の2ヶ月間、日本へ帰省した。2人を日本の学校(幼稚園または保育園)に行かせるためである。フランスの幼稚園を休ませることになったが、「家庭の事情で」という手紙一つで了解され、特に問題はなかった。

電話帳・イエローページの幼稚園・保育園リストを日本から取り寄せ、実家からの近さを優先してフランスから連絡をとった。定員いっぱいというところが多かったが、「短期でもOK」の返事は5件目の市認可の私立T保育園でもらった。出足は上々。

帰省した翌日、2人を連れてT保育園を訪問。「いいですね、2つの国を行き来できるなんて。在園児にもいい刺激になります。」よく言われる言葉である。聞くたびにその“よい環境作り”をするのはこの私だと気も引き締まる。雑談しながら書類を渡された。福岡市提出用。氏名・現住所・生年月日の他は、両親の勤務証明書、保育園に預けなければならない理由、家庭内の65才未満(=まだまだ子供の面倒が見れる年齢)の大人全員の勤務証明書(若しくは健康上の理由で面倒が見れないという‘医療証明書’)が求められていた。

私の勤務証明書などあるはずがない。昨日フランスから帰省したばかりだ。私の両親も引退したばかりで65歳未満、至って健康、家で子供の世話ができる年齢ということになる。・・・ということは3人分の勤務証明書が必要? これは事業主の知人に頼んで偽書類を作ってもらう方法もあるが、家庭内の3人が同じ所で働く? しかしこの書類をクリアしても保育園に預けなければならない理由も相当練って書かないと不許可になるかも・・・。園長には正直に「日本の生活を同年齢の子供の中で学ばせたい」とは説明してある。この思いに賛同してはいただいたが、市への提出書類はきちんとそろわないと困るとのこと。当然である。「書類を提出してから許可が下りるまで約2週間、新入園は毎月曜日なので、早くても○日からですね。」とも言われた。え?じゃあ3週間後?そうなると通園は正味1ヶ月しかできないことになるではないか・・・。

T保育園を出た後、違うところを訪ねようと公立A幼稚園に行ってみた。行ってびっくり。公立は4歳と5歳の2年だけなのだ。何で? フランスでは3歳未満は保育園、3~小学校前は幼稚園とはっきり分かれているのに、日本では4歳児が保育園だったり幼稚園だったり、、、。

幼稚園と保育園の違いをはっきりさせたくなった。120万都市の福岡に公立幼稚園はただ1つ、保育園も市認可の私立ばかりなのだ。とりあえず市役所保育課へ。ここで愕然とする。福岡市では(‘日本では’といいたいところだが、そうであってほしくないという望みを持ちつつ、福岡としておく)幼児は家で面倒を見るのが基本。子供は親といるのが一番。保育園(0歳~6歳の未就学児)は仕事を持つ親のために存在するのであって、集団生活を通して情緒豊かな子供を育てるなどという主旨ではないということである。え? 本当に? 私の思っていたこととは根本から違いすぎた。この人の言う事が本当だとすると、フランスから来て体験入学させるなど、論外ではないか。

しかしめげずに、今度は市の教育委員会を訪ねた。答えは同じような内容ではあったが、大分穏やかに話が出来た。我が家のような場合は私立の幼稚園をあたったほうがいいだろうとのアドバイスを受けた。

ついでなので小学校の体験入学方法を聞いてみたが、こちらのほうは義務教育なのではるかに簡単、現地保護者が住民票と確認書(‘この子は○月○日~○月○日の期間、確かにこの住所に滞在します’の一筆)を持って校区内の学校へ行けば受け入れてくれるとのこと。シンプル極まりない。(現在はそうしてK固小に通ってます)

帰宅してから再検討してみた。最善策はどれであろうか?
① T保育園に行けるよう、書類を作り上げる。
② 無認可の保育園を探す。
③ 知育を売り物にした民間塾を探す。
④ 私立幼稚園を探す。

①には、大人全員の勤務証明書を得るために知人に迷惑をかけねばならない。=嘘をつくので気が引ける。給料によって保育料が決まるのだから尚更だ。
②を探してみると、保育時間が夕方~夜中と、客層が違うことに気付く。
③は1日預かってくれるところは3歳児までであった。

となると④しかなさそうだ。通園時間が9~14時と短いのがネックだが、変なところには通わせたくない。行動再開。まずは一番近いT女学園付属幼稚園。私が通ったT女学園高校の系列である。幼稚園受験のある有名校になっていたが、インターネット上では『英語も取り入れ、国際感覚豊かな子供を・・・』と謳っており、私の目的とも一致しそうな雰囲気であった。・・・が、直接訪問すると以外や以外、「短期で部外者が来ると園児が混乱するのです。それに日本語はちゃんとできるのでしょうか?」との言葉。‘国際感覚’という教育理念とはかけ離れた感じを受けたのは私だけであろうか?学校は見かけによらないものである。

次の訪問先は受験校ではなかったが、日本語が通じるのかと何度も質問された。何とか意図を理解してもらえるには至ったが、結局空きを待っている人が既にいるのでその方を無視して優先的には受け入れられないとの返事。同じ拒否されるにしてもこれには納得。3つ目は仏教系。お寺と併設で異文化に触れるにはもってこいである。空きもあり、OKが出た。在園児にもいい刺激になると理解してもらえたし、私も先生にも刺激をと、日仏の違いをいろいろ語った。そして書類。ここは住所氏名以外は特に必要なしだったが、入学金(ひとり10万)と制服代(ひとり6万)を見て、私は唖然とした。その他に月謝がひとり2万6千円必要なのだ。2ヵ月通わせるにはあまりに高い・・・。

値段に納得できなかったのでもう1件あたってみた。私立はどこも同じと諦め気分で、何回言ったかわからないセリフを繰り返した。「フランスから来て体験入学させたいのですが・・・」 ニコニコ顔で即「いいですよ!」何と何と、今度は入学金なし、制服は週1回着るか着ないかなので、余っているのを貸してくれるとのことであった。嘘のような申し出に耳を疑い、この条件を数度確認した。これまでの経緯を話すと、園長は「昨年は純粋ロシア人の子供が来ましたよ。英語も通じませんでしたけど楽しかったです。その前はアメリカ人で・・・」と話し始めた。手持ちの現金を出すと、「それより、明日が始業式なのでとりあえず制服を持って帰って袖をもうちょっと曲げてやってください」と言われた。

この幼稚園はひらがなの勉強も英語教育もなく、福岡では不人気のようであったが、先生方だけでなく、保護者の方々も実にいい方ばかりで、子供達も活き活きしていた。道で会うと遠くからでも「○○ちゃ~ん、お~は~よ~!」と声をかけてくれるし、大人にも積極的に話しかけてくる。日本に行くと遠巻きに、しかし聞こえるように「ハーフじゃない?」とささやかれることが多いので、逆に遠慮なく話をしたがる子供を見ると嬉しくなってしまう。地元の小学校では「ここの卒園児は周囲への思いやりがあり、落ち着きもある」と評判もいいらしい。

この幼稚園には翌年も1ヵ月半受け入れてもらった。その次の年も2・3月に再びお願いした。

2006年2月24日金曜日

うちのこどもたち 3歳以前

いろいろ問い合わせが多いので、今まで子供とやってきたことを、数年前の日記から抜き出して書いていきたいと思います。何かのお役に立てれば幸いです。

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我が家には1996年生まれの娘と、その下に13ヶ月違いの妹がいる。2人がまだ話せない頃は、日本語環境について深く考えることはなかった。母親である私が日本語で話してさえいれば子供たちも自ずと日本語が身につくものと思っていた。

その後インターネットが普及したおかげで、自宅に居ながら世界中から情報が集められるようになった。子育てに役立つネタも簡単に収集できるのは大変ありがたいのだが、同時に心配事も増えていく。日本語の読み書きができるようになるためには、親の努力が欠かせないと彼方此方で言われているのである。

う~ん、困った。いくら生活基盤がフランスとはいえ、自分の子供が日本語の読み書きできないのは嫌だし、この私が知っていることぐらいは子供にも習得してほしい。・・・となると、私自身が日本で受けた学校教育を‘家の中で’‘私が’子供に施す必要があるのか??、そう思った途端、寒気がしたのを覚えている。大変なお役目である。平仮名・カタカナ・漢字という文字は勿論、俳句・短歌を含む古典、視野を広げるためにいろいろなジャンルから本を選んで、、、日本の歴史も捨てられないし、習字や伝統行事の紹介、、、とてもひとりで担えそうにない。だから深く考えるのは止めることにして、とりあえず‘今’何をしてあげようか?

ここまでは長女が1歳の頃の話。ひとりでいろいろ悩んでいたが、とりあえず、遊びと育児情報が1パックになって毎月届く、『こども・・・・・』の購読を始めた。日本の実家を通さずに海外まで直送するシステムが整っているものは他にもあったが、単純に日本での一番人気を選んだ。絵本とビデオと小さな玩具で「はみがきはたのしいよ」「トイレへ行けば気持ちいい」と語りかける1歳児教材、兄弟への思いやりが詰まった2歳児教材。5歳の頃は平仮名や足し算に遊び感覚で取り組み、ビデオから「すり傷が治るまで」を学び、「けっしょうばん、はっけっきゅう」などと言っている。私は毎月感心するばかり。子供の興味を引く仕組みが詰まっているのだ。30万人以上が購読中というのも頷ける。

次女が2歳のとき、日本へ2ヶ月帰省。目的は日本の保育園に通わせること。日本語は同年齢の子供と遊びながらのほうが早く覚えるし、日本の行事(ちょうどこいのぼりの時期であった)に直接触れさせたかったから。実家は九州、120万都市福岡の中心部。保育園、幼稚園は近くに多く存在する。帰省前はどこかが簡単に受け入れてくれるものと思っていた。否。理由は様々。

この年は結局、民間の幼児教室に通わせた。元幼稚園経営者がマンションの一室で行う、0歳~3歳が10人弱の知育教室であった。一人あたり23000円/月と我が家の予算を越えていたが、よく調べると日本ではこれが相場とわかり、契約した。「入会金○万円もお願いします」という他の教室に比べれば、非常に良心的であった。その上、目からウロコの教えもいただいた。例を挙げると、

 紙への殴り書きは、子供には絶対に必要。筆記具をどう持ってもいいから、やりたいだけやらせるのがよい。この段階を踏まない子は、次のステップで線をまっすぐ引く、丸を書く、などが容易にできない。

 鉛筆は、幼児には固すぎるので、力を入れなくてもスラスラ動くサインペンがよい。クレヨンも固くて書きにくい。絵の具は違った感覚となるのでお勧め。

 子供にねだられるままに親が絵を書いてあげるのは、あまりよくない。その後子供が真似た絵ばかり書くようになり、自作しなくなる。

 子供か書いた絵、例えば顔の絵に、「あれ、眉はないの?耳は?」となどのコメントを言うと、絵を書き上げた満足感を削ぎかねないので、注意が必要。

 つみきやレゴなどの創作玩具はなるべく片付けないほうがよい。壊してしまうと、次回また一から始めることになるが、前回の続きからなら新たな想像力が働き、意欲も湧く。

 子供に何か習慣付けさせたいなら毎日やること。最低3ヶ月は続ける。

0歳児にもお昼寝前に絵本を読み聞かせていた。1歳半でひらがなが読める子に出会ったのもここだった。