私のフランスでの初めての滞在先は語学学校から紹介されたホームステイ。フランス人大学生と共に3ヶ月間滞在しました。
その後、仏日文化協会でお手伝いをするようになり、日本人とフランス人との間でのトラブルをたくさん見てきました。
今までの経験を元に、気づいたことを書き記して置きます。
【日本人はお湯を使いすぎる】
シャワー、お風呂、キッチンなど、日本では個人宅でもお湯がいつでも出てきます。使うお湯の量にリミットはありませんよね。ですがフランスでは違います。一般家庭には100〜200リットルぐらいのお湯タンクが一つというところが多いです。稼働するのは一日に一回、電気料金が安くなる23時以降にしか沸かしません。しかも毎回5時間前後かかリます。
日本にお住まいの方にはピンと来ないと思いますが、これを知らないと大問題になります。
こちらの浴槽で肩までしっかりつかりたいと思うと、200リットルでは足りません。
朝の洗顔、日中の皿洗いでもお湯を使いますので、日本の感覚でバスタブにお湯をためてしまうと、その家のお湯のストックを「ぜほぼ全部」使い切ってしまうことになります。
他の人は水のシャワーしか浴びれません。キッチンの皿洗いにも水しか残っていません。夏には問題になりませんが、冬になると大変です。
ですからシャワーを使う場合は、こまめに止めてください。髪と身体を洗う場合、途中で停水すること。
湯船にお湯をためる場合は最低限に。私は足を伸ばして(L字に座って)、膝が隠れるくらいしかお湯をためない。おへそまでお湯を入れるのですら、自分へのご褒美の時だけです。
ついでに、
お風呂、シャワー、朝の洗面など、終わったあとは髪の毛が落ちていないか、きちんとチェックしてください。排水口も忘れずにお願いします。
蛇口が濡れていたら、きちんと拭き取ってください。こまめに拭き取ればカルキも溜まりにくく、強い洗剤を使う必要がなくなります。
鏡についた水滴も拭き取ってくださいね。(^_^)
【日本人は電気をつけっぱなしにしすぎる】
ー 白人とは光の感度が違う ー
日本からフランスに来たばかりの時は、家の中の暗さに驚きました。こんな中で本を読んでいたらすぐに目が悪くなる!と何度も思いました。
ですが電気の暗さは仕方がないかもしれません。光の感度が違うのです。 「TVを見るときは部屋を明るくしよう」などとは誰もいません。逆に部屋を真っ暗にして見る人のほうが多いのです。
面白い話がある。
ある日本人家族が数年滞在のつもりで家を借りました。備え付けの電灯だけでは暗すぎるので、スポットライトをたくさん設置し、日本と同じくらいの明かりを確保しました。そこは日本人だけの家なので、家族4人みなルンルン、読書も楽し。
そんなある日、外国人家族を2家族招待しました。
お客様は始めのうちは「この家、ライトがたくさんあってきれいね」と笑っていたそうですが、食事の途中で耐え切れなくなって、サングラスをかけたということです。
それくらいこちらの人は光に弱いのです。
南仏では2月からサングラスが欠かせなくなります。これはおしゃれのためではなく、光が眩しくて、耐えられないからです。夏に眼科の定期検診に行った時、「こんなに眩しいのにサングラス無しで出歩くなんて、自殺行為よ!!」と言われた事があります。(^_^;) 以来、私はサングラスを常に持ち歩いています。
ですから日本人がこちらの家の中の電灯が暗いと思うのは仕方がないと思っています。ホームステイでご厄介になる場合は小さなスポットをお願いするか、自分で購入するのがいいと思います。
フランス人は「税金と電気代はとても高いもの」という思いを持っています。電気は本当にこまめに消します。
ですから大家さんに何か言われたら、しばらくはそれに従ってみてください。トイレ、お風呂、廊下、部屋など、自分のいる場所、いた場所の電気を消し忘れていないか、頻繁にチェックしてください。(^_^)
【日本人はトイレットペーパーを使いすぎる】
ー こんなところもチェックされている! ー
これに関しては私も未だにフランス人側になれるほどの理由を見つけられずにいるのですが、残念ながらこの苦情は本当によくあります。上に述べたお湯と電気の問題が起こると、「ついでに言わせてもらうけど、、、」と必ず出てくるほどなのです。
日本人の方々には始めは難しいと思いますが、ホームステイをする際はトイレットペーパーは最低限だけ使用してください。「もっと少なく出来るのではないか?」と自分に問い続け、紙の使用を減らして見てください。
自分の「音」を消すために無駄に水を流すのもトラブルのもと。私も以前はフランス人に「体に必要な排出なのに、何でそれが恥ずかしいの?」と笑われたことがあります。日本に行ったことがあるフランス人も、日本のあのトイレの「音」(音姫のこと)は、やり過ぎだよね~という会話をよくしております。
【何を考えているのかわからない】
ー 口数が少ないことの弊害 ー
語学に自信がないと口数が少なくなります。これはある意味、仕方のないことかもしれません。私も何年も何年もそうでしたので、気持ちは本当にわかります。
ですがここフランスでは、小さい時から「自分の意見」「自分の思い」を発言するまで逃れられないことが多いのです。日本の学校ならば 「あら、わからないの?仕方が無いわね。他に分かる人いますか?」となるのですが、こちらではそうはいきません。何か発言するまで授業はストップします。他の友人から小声で教えてもらうこともできないし、辞書の使用も禁止。
(;´д`)トホホ…
妊婦のときにスイミングスクールに通っていましたが、ある時、即興で何かを動きで表すという時間がありました。テーマが与えられたのですが、フランス語がまだ良くわからなかったのでチンプンカンプン。コンタクトレンズも外しているからジェスチャーもよく見えない状態。(^_^;)
だんまりしていても次の人の番にはなりそうもないことを悟り、右左にくねくね動いてその場を乗り切ったのを覚えています。あのときは本当に恥ずかしかった、、、。以来、通うのを止めました。(^_^;)
日本の勉強は穴埋め問題が多いですが、こちらは歴史も数学も10行20行の説明をするテストが殆ど。説明が下手だったら、たとえ答えがあっていても良い点数はもらえません。こんな教育をずーーっと受けているので、こちらの子供は自分の意見を述べることには慣れています。(屁理屈や言い訳でも、堂々としていて素晴らしい!)
何も言わずにだまていると、「この子はおとなしい子なんだなー」などとは思われず、「私達と会話したくないの?失礼な人ね!」と勘違いされてしまうことのほうが多いです。
全く口から出てこないと思うこともあると思います。ですがあきらめて黙りこまずに、あえてギューッと搾り出して見てください。「今何を言えばいい?」「何かでてこい!」と自分に言い聞かせてください。必ずでてきます!!
たどたどしい語学力で会話をするのは苦痛かもしれません。ですがわからない時は「わからない」、言葉が足りないなら「どう言ったらいいかわからない」という思いも恐れずに発言してください。
逆に、「美味しい」「嬉しい」「ありがとう」などの感謝の言葉は多めに使うことをおすすめします。日本では照れくさい言葉なので言いにくいかもしれないが、騙されたと思ってどんどん使ってください。(^_^)
あと一つ。
確認したい事柄があったら、「くどい!」と言われるくらい何度でも確認してください。いろんなシチュエーションを例えに使ったり、言葉を変えたりしながら確認してください。「もう一回確認させてください」「昨日も聞いたことですが、、、」と繰り返して話題にすることを恐れないでください。(^_^)
【部屋が散らかっている】
ー 他人の家に泊まり慣れていない日本人 ー
こちらの子供たちは幼稚園の時からお友達の家に泊まりに行くことが多いです。バカンス中はおじいちゃん、おばあちゃんの家に行ったり、友人の家に行ったり、サマーキャンプに参加したりしているので、団体生活に慣れています。
初めて主人の家族とヴァカンスを過ごしたとき、朝起きたらベッドメイキングをし、食べ終わったら食卓と台所をきちんと片付けてから次のことにとりかかりました。パジャマも洋服も、まるでお店の棚に並んでいるようにきちんとたたんで所定の場所に片付け、洗面道具も散らかしたままにしません。自分のタオルをテキトーに置いたりもしません。
今までの人生そうではなかった私には始めの数日は大変でしたが、あっさり慣れました。人間、意外とすぐにできるようになるんですね〜。(^_^)
ですから、「これはまたあとで使うから、ここにおいたままでいいや」という考えではなく、自分のものはできるだけひとまとめにしておいてください。
うちの子供達が通っていた学校には寮がありました。週4日過ごすにもかかわらず、荷物は毎朝きちんとバッグにまとめ、いつでも帰宅できる状態にしておくらしいです。初めてこの話を聞いたときは驚きましたが、これならいつ部屋に入っても、彼らのバッグをちょっと動かすだけで掃除ができるはず。ベッドが整っていると、シーツの交換も簡単ですからね。
ホームステイの場合、掃除が簡単になれば大家さんの負担が減ることになります。それよりもまず、部屋が整っていると気持ちいいですしね。「あー、この子に貸してよかった」とも思ってもらえます。
日本人は旅行先や飛行機の中でもゴミをビニール袋に入れて一つにまとめます。駐輪場はいつもきちんと整列してありますし、電車・バスを待つ間も綺麗な列を作って並んでいます。これはとってもいいことです。
ですから、是非、家の中でも同じ事を心がけてみてください。手間を惜しまず、自分の持ち物はきちんとまとめておいてください。歯ブラシや歯磨きなど使ったものは毎回自分のポーチに片付けるのもいいかもしれません。好印象になること間違いなし!
以上、こちらでよく聞くトラブルをいくつか挙げてみました。
はじめのうちは私も反論したい気持ちがたくさんありました。そのたびに【郷に入っては郷に従え】と繰り返していました。
大家さんは「自分の家と思ってくつろいでいいよ」と言ってくださいます。ですが、だらしないところをさらけ出すこととは違いますので、勘違いしないように。
「来た時よりも美しく」は日本人の良いところ。十分な滞在費を払っていたとしても、ちょっと不満な点があっても、まずは「住まわせていただいてありがとう」の気持ちを忘れずに持ち続けたいものです。
ホームステイをする場合は、お互いが気持ちよく過ごせることが大前提です。その上でできるだけファミリーと会話を持ち、わからないことがあれば正直にそう伝え、語学力がないと感じているのなら手を変え品を変えあきらめずに何度でも確認し、会話のズレを無くしていってほしいと思います。
小さな時間の積み重ねが、10年後20年後に大きな力となってあなたの支えになると信じてください。
フランス滞在中に楽しい思い出がひとつでも増えることを祈っています。
m(_ _)m
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