2006年3月9日木曜日

うちのこどもたち 卒園式当日

卒園式の朝、私は3年前の入学式と同じ服装で、主役の子供には制服を着せ、園へ向かった。行ってみると、卒園児だけでなく、保護者の胸にも小さな花が飾られ、「本日はおめでとうございます」と在園児保護者に深々と礼をされた。そうなのだ、日本では卒業とはおめでたいことなのた。すっかり忘れていた。体験入学の身分なので皆にお辞儀されても今ひとつピンと来なかったが、他の方には同様のお祝いを述べてまわった。(とりあえず皆と同じことをしておこう。) 先生への色紙に一言添え、綺麗にデコレーションされた門のところで記念撮影もした。

準備段階では滑稽に思える部分もあったが(多すぎる記念品、保護者の服装)、卒園式自体は予想に反し、とても感動的であった。日本にいれば音楽会、お遊戯会、運動会など、大勢の前に立つ機会が年に何度もあるが、我が子はそれらが殆どないフランスの幼稚園生活が中心で、日本でもそれらを見たことが全くなかったのだ。その彼女が、皆と歩調を合わせて会場に入場し、名前を呼ばれたら「ハイ!」と大きな声で返事をし、背筋を伸ばしてひとりで堂々と歩き、証書を受け取り、きちんと脇に抱えて席に戻り、その後は皆と一緒に園での思い出を語り(家では聞いたことがないしっかりした日本語だった)、たくさんの歌を間違えることなく歌っていた。その歌も、親の胸にジーンとくるフレーズばかりで、ここの幼稚園生活でいかに自分の子供が成長したかを振り返らずにはいられないものであった。幼稚園側の演出力に脱帽。成長の節目に、次の学校生活への出発に、このようなセレモニーを経験するのもいいものである。

式の後には謝恩会が催された。近くのホテルでの昼食会なのだが、コースメニューの一品一品にアレルギー素材がないか、偏った内容でないかチェックを入れ、その他にも赤ちゃんのいる方の席はもちろん、全員の席順にもすんご~~く気を使ていた。ゲーム、歌、DVD映像試写、最後は先生方への花束贈呈ありで、大人たちは涙で終了。泣いていないのは子供たちだけであった。

この会場を出るときは、先生方手作りのクッキー、ネームプレート、そして園児ひとりひとりへのお手紙が渡された。

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