2010年3月20日土曜日
射法訓
吉見順正(よしみじゅんせい・江戸中期)の遺訓です。
礼記射義が弓道の心構え、こちらが術技の理想と言えます。この二つを基盤として稽古に励めば、いつかは「心」「体」「弓」の三位一体の境地に辿り着ける(はず)。以下、前文も含めたものです。
抑(そもそも)、弓道の修練は、動揺常(つね)無き心身を以って押し引き自在の活力を有する弓箭(きゅうせん)を使用し、静止不動の的を射(い)貫(つらぬ)くにあり、その行事たるや、外(そと)頗(すこぶ)る簡易なるが如きも、其の包蔵(ほうぞう)する處(ところ)、心行想(しんぎょうそう)の三界( さんがい)に亘(わた)り、相(あい)関連して機微(きび)の間(かん)に千種万態(せんしゅばんたい)の変化(へんげ)を生じ容易に正鵠(せいこく)を捕捉(ほそく)するを得ず、朝(あした)に得て夕(ゆうべ)に失い、之を的に求むれば、的は不動にして不惑、之を弓箭(きゅうせん)に求むれば、弓箭は無心にして無邪なり。唯々(ただただ)之を己に省み心を正しうして一念正気(いちねんしょうき)を養い、正技を練り至誠を竭(つく)して修行に励むの一途あるのみ。
正技とは、弓を射ずして骨を射ること最も肝要なり。心を総体(そうたい)の中央に置き、而(しこう)して弓手(ゆんで)三分の二弦(つる)を推(お)し、妻手(めて)三分の一弓を引き、而(しこう)して心を納む、是(これ)和合なり。然る後、胸の中筋(なかすじ)に従い宜(よろ)しく左右に分かるる如く是を離つべし。書に曰く、鉄石相剋(てっせきあいこく)して火の出ずること急なり。即ち金体白色(きんたいはくしょく)、西半月(にしはんげつ)の位なり。
弓を持って射を行う場合、道具である弓矢の操作に捕われ、自己を失ってはならない。射は自己の筋骨をもって行わなければならない。 心気の安定を図り、身体の中央に位置する丹田を意識する。
引き分けの際は、弓手で弦をで押し妻手で弓を引くように、つまり弓と弦との引き分けは、押し引き相対応しているから互いを意識して行わなければならない。
押し引き極まったら体の中央に置いてある心を丹田に納め、身・心・弓の和合充実を図ること。(三位一体の「会」の理想像)
そしてそのあと和合の分離、すなわち会から離れに移行する場合は、基本体型の中央である胸の中筋より左右均等に離れよ。(縦横十文字の離れ)
離れた矢先の鋭さは、あたかも鉄と石とが相剋して火の出るようである。
残身はあたかも東の暁空に輝く金星と西にある半月が相対照した黎明の位のようだ。(残心、射格、悟りの姿)
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これができたらかっこいいだろ~な~。
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㈲ 征矢弓具製作所
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